戦略拠点32098 楽園(長谷敏司/角川スニーカー文庫)

TRPGのシナリオも作ってなければ、借りたり買ったりして未だ手付かずの本が二桁を越すくらいあるのだけど、ちょっと気になってたライトノベルを読んでしまいました。

戦略拠点32098 楽園 (角川スニーカー文庫)

戦略拠点32098 楽園 (角川スニーカー文庫)

人類が二つの勢力に分かれ、1000年に渡る星間戦争を繰り広げている、遠い未来。一方の勢力が死守する謎の惑星――「戦略拠点32098」と呼ばれる星に、敵方の降下兵が決死の突入を行う。命からがら、その星に降り立った兵士ヴァロワが出会ったのは、マリアという少女と、彼女を守るロボット兵士のガダルバ。楽園と呼ぶに相応しい豊かな星でありながら、彼女ら以外に暮らす者はなく、また地表の至るところには宇宙の戦いで朽ち果てた無数の戦艦の残骸が柱のように突き立っている。惑星の調査を進めるヴァロワは、やがて、この「32098」の真実に辿り着く――。


というお話。
これだけ書くとSFとホラーを足して割ったようなものかと思われるかも知れません。でも、そんなことはまるでなくて。実に感傷的な作品でした。少ない登場人物と、固定された場面の中に、センチメンタリズムがぎっしり詰まってます。読み手を選ぶかも知れませんが、200ページに満たない薄い作品なので、一読くらいはしてもらいたいもんです。
これは7年前のスニーカー大賞の金賞作品だそうで、しかしヒットしたというわけでもないそうで(僕が買ったのも初版です)ネットで見ても知る人ぞ知る作品に留まってるようで、ちょっと勿体無い。まあ僕もついこないだ知ったわけなので、偉そうなことはいえません。身近な人には貸して回ろうと思ってます。