冒険、思い出、帰還、最後の挨拶、事件簿そして四つの長篇

新潮文庫シャーロック・ホームズシリーズ読了。うーむ、面白かった。
細かい感想はまた後日書きます。今日から同文庫のドイル傑作選1〜3を読みます。

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一つ思い出したこと。
学生時代、英語演習で扱った教材の一つにシャーロック・ホームズ物がありました。白黒時代の映像作品をベースにテキスト化したもので、タイトルは「Women in Green(緑衣の女)」写真が多めに挿されていて読み物としてなかなか面白かったのを覚えています(テキストとしてはコックニー英語に関する註釈が興味深かった)。最終講義では、その映像作品(Sherlock Holmes: Woman in Green (1945)の鑑賞会が行われて、最後まで楽しめる内容でした。
ところがこの「Women in Green」実は制作会社の完全なオリジナルで、原作にこういう作品は存在しないのです。当時こそ僕は気付きませんでしたが、今回ホームズシリーズを読み進める中で疑問に突き当たり、ネットで調べて知ったという次第。往年の映像版ホームズにはこうしたオリジナルがしばしば作られていたようです。原作が60篇もあるといっても、諸々の事情から映像化に適さないものがあるなどして、話数を稼ぐためにオリジナルのストーリーが必要だったのかもしれませんね。そうでないにしても、自分の編み出した物語でホームズとワトソンを活躍させたいという思いもあったのかもしれません。
この「Women in Green」でホームズを演じたバジル・ラスボーン(Basil Rathbone)は顔つきと物腰がとてもホームズらしくて(参考、Women in Greenのダイジェストも載っています)、今でも、歴代のホームズ役の中でナンバーワンと推す人もいるそうです。
ちなみにホームズの宿敵であるモリアーティ教授もバッチリ登場しています。でも退場の仕方はものすごくカッコ悪い。
参考サイト:
Basil Rathbone: Master of Stage and Screen(バジル・ラスボーンのファンサイト)