夜回り先生

昼過ぎに実家へ戻ると、母親が真剣な顔でテレビ番組を見ておりました。昼間はテレビをつけない人が珍しいなと画面を見てみると、放送していたのは「生きていてくれてありがとう 夜回り先生水谷修のメッセージ2」でした。すぐ掃除の手伝いに入るつもりだったのですが、監督たるべき母親がテレビの前からまったく動かないので、自分も座って見ることに。「夜回り先生」も土田世紀の漫画版も未見だったので興味を惹かれたということもあります。
……という軽い好奇心で見始めて数分も経たないうちに、内容の重さに圧倒されていました。子供たちを取り巻くシビアな現実に対する、己の無知さ加減を思い知らされたというのが具体的なところです。
子供たちと会話するときの水谷さんの暖かい表情と真摯な視線の光、眉間にくっきりと形ができあがってしまった縦皺の線が、番組を見終えて四半日経った今も脳裏から離れません。