タイムリープ香辛料

十日ほど前にアニメDVDを買いました。「時をかける少女」と「パプリカ」の2作品。どちらも筒井康隆作品のアニメ版なのは、買ってから気づきました。DVDを買うこと自体が始めてです。その最初にアニメを選ぶだけなら、ありふれたことなんでしょうが、「時かけのキャラデザは貞本義行か、ならば買おう」「パプリカの監督は今敏で音楽は平沢進か、ならば買おう」などと考えていた自分は紛れもなくオタクです。


時かけ」は買って直ぐに見ました。主人公のおばさんの正体を知って、ちょっと笑ってしまった。それ以外に書くことといえば絵が綺麗だったことくらい。
一方の「パプリカ」は、原作小説を読んでからの方がよかろうと思ったので、先週末に原作を読んでから鑑賞。アニメ版は原作をかなりアレンジしていること(登場人物を減らしている、原作の細かいエピソードを再編している、など)がわかり、「原作→アニメ」の判断でよかったと思ってます。メインキャラの時田浩作(太っちょの天才博士)のデザインがいい具合に不細工で、それがとてもよかった。こちらも絵が綺麗。「家族八景」もアニメにならないかな。


「パプリカ」原作と併せて、「クラインの壺」(岡嶋二人)も買いました。これは「クリス・クロス」のオリジンというべき内容、逆にいうなら「クリス・クロス」は「クラインの壺」のコピー(Web上だと「良質のコピー」といわれてることが多い様子)だと聞いていたので興味を持っていました。読んでみてなるほど納得。バーチャルゲームの内容や結末のくだりを比べてみると、「クリス・クロス」は読者が子供であることを意識してることがよくわかります。「クラインの壺」は中々に衝撃的な結末でしたが、とても面白かった。岡嶋二人、そしてコンビ解消後の井上夢人はもうちょっと色々読んでみたくなりました。


現実と仮想現実を取り扱う作家というと、ディックが思い浮かびます。と書くとディックマニアっぽいですが、実は模造記憶と電気羊くらいしか読んだことがありません。
本を読むと、読めば読むほど、自分の読書量が貧弱であることを痛感します。読書は生活だと恥ずかしげもなくいえるようになりたい。