墨攻

漫画版「墨攻」の文庫版をまとめ買いして読了。原作では辺境の小国が舞台だったけど、漫画版では主人公が趙や秦にも移動するし、最後は海にまで乗り出したりと、とてもスケールの大きな話になってました。主人公の脇を固めるキャラクターがたくさん出てきたりと賑やかになってます。女性キャラもいるし。(後で気づいたことだけど、時代設定もやや異なる様子)。漫画版の結末はハッピーエンドといっていいもので、原作のドライな読後感が醸す切れ味には及ばないんだけど、けっこう好きです。
ここで「泣き虫弱虫諸葛孔明」の第二部を買ってないのを思い出して、ネットで注文。酒見賢一が専業作家に戻れるくらい売れるといいんだけど。


作画を担当した森秀喜氏の話。
雑誌連載時、飛び飛びに読んでいた頃から絵柄に見覚えを感じてまして。文庫版のプロフィールで、「青空しょって」というゴルフ漫画を描いていたことを知って、「あー初回だけ読んだことがあるぞ」と思い出しました。
主人公の父親が、試合を放棄して会場から逃げ出すとき、主人公を顧みた時の(大舞台のプレッシャーに敗れ、衆人環視の中で自滅したことへの恥辱だの悔恨だのが入り混じった)何ともいえない表情と、その数年後に、孤島の監獄めいたゴルファー育成所に主人公が暮らしているという(当時小学生だった自分でも「そりゃ無茶だ」と思った)スゲェ設定とを、今もハッキリ覚えています。過去の記憶にある程度の整理がつくのは気持ちいいものです。
なーんて書いちゃったけど、記憶違いだったらどうしよう。
そういえば、Dr.コトーの作者が「風のマリオ」や「マッシュ」描いてた人だってことも、しばらく知らなかったなあ。